◆ヤワラーの荒んだ旅社で知り合った貧しい女性と赤ん坊

◆ヤワラーの荒んだ旅社で知り合った貧しい女性と赤ん坊

私には数年に渡って体調が悪かった頃があった。

絶え間ない頭痛、吐き気、めまい、聴力低下がずっと続いて良くなるときと悪くなるときが周期的に襲ってきた。

体調が悪くて日本の自室でじっとしていると、どうしても気が滅入って死にたくなってしまう。悩んだ末、症状が小康状態になった頃に無理を承知でバンコクに向かうことに決めた。

タイの歓楽街をうろうろしたいという気持ちはまったくなかった。バンコクでもコラートでもどこでもいいから、大好きなタイで静かにしたかっただけだ。

今回は夜の女とは関わらないというのが私の固い決意だった。これほどまで体調が悪いのにそこに荒淫まで加わると緩慢なる自殺と同様だ。絶対に私は夜の女たちと関わるべきではないし、今の体力では最初から歓楽街をうろつき回るのも無理だ。

しかし、悪手だった。

空港でどんどん気分が悪くなり、飛行機の中で気分が悪くなって吐いた。


スワンナプーム国際空港に到着したのは例のごとく真夜中だったが、入国検査では尋問のようにいろんな質問をされた。どこから来たのですか。なぜ気分が悪いのですか。タイに来た目的は何ですか。ドラッグは持っていませんか……。

ドラッグと言われたとき……

(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきたカンボジア売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア タイ編』にて、全文をお読み下さい)

ブラックアジア【タイ編】表紙
『ブラックアジア・タイ編 売春地帯をさまよい歩いた日々(鈴木 傾城)』連載当時、多くのハイエナたちに熱狂的支持されたブラックアジアの原点。

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