◆名前も国籍も知らないのに、あなたと結婚したいという女

◆名前も国籍も知らないのに、あなたと結婚したいという女

イサーンの入口と言われているコラート(ナコン・ラチャシーマ)はバンコクから二五〇キロほど離れたところにある。東西に細長い都市で、タオ・スラナリ像を中心として、東側が旧市街、西側が新市街になっている。

バンコクのように高い高層ビルが林立しているわけではないが、それなりに賑やかな商業都市でとても過ごしやすい。

昼間の暑さはバンコクと遜色ないのだが、夜になるとぐっと気温が下がって過ごしやすくなる。ここは私のお気に入りの場所でもある。

彼女とは夜のコラートのショッピングモールの前で出会った。

バンコクでもそうだが、ときどきショッピングモール前の道やバス停では売春する女たちが立っていることがある。

プロもいるのかもしれないが、セミプロや素人の女性も混じっていたりする。彼女はバス停らしきところで立っていて道ゆく男に視線をやっていた。

コラートは売春ビジネスが盛んな場所ではない。むしろ、売春ビジネスはカラオケやMPに収斂されていて、ストリート・ガールはほとんど目立たない。

こんなところに立つくらいなら数時間バスで揺られてバンコクまで行ったほうがワリに合うという計算が立っているのかもしれない。

だからナイトバザールから戻る途中で、ひとりの女が……

(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきたカンボジア売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア タイ編』にて、全文をお読み下さい)

ブラックアジア【タイ編】表紙
『ブラックアジア・タイ編 売春地帯をさまよい歩いた日々(鈴木 傾城)』連載当時、多くのハイエナたちに熱狂的支持されたブラックアジアの原点。

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