スタンメンチャイ。プノンペン最大の「ゴミ集積場」で思う

スタンメンチャイ。プノンペン最大の「ゴミ集積場」で思う

フィリピン・マニラ北部に「ここはフィリピンの恥部だ」と同国の大統領に言わしめた不浄の大地がある。インドのカルカッタと並んで東洋最大のスラムと言われ、地図にも載っていない暗黒地帯だ。

3,000家族、約21,000人が集まり、山の斜面一面に大量のゴミが不法投棄され、いつしか人々には「スモーキー・マウンテン」と呼ばれるようになった。

スモーキー・マウンテンの映像を見たことがある。大量のゴミが不法投棄され、自然発火して白い煙を上げる中、小さな子供たちが大人に混じって黙々とゴミを拾い分別する。

唇を堅く結び、無表情でゴミを拾う子供たちの哀しげな表情に、心が揺さ振られない人はいない。

生活に追いつめられ、どん底の生活に陥れられた家族と、日々の食事さえ満足に採れない子供たちがここでゴミを漁り、少しでもお金になるようなものがないか探し回っている。

コラソン・アキノ、フィデル・V・ラモス、ジョセフ・エストラダ、そしてアロヨ大統領の誰ひとりとして彼らを救済することはできなかった。

それどころか相次ぐ汚職によって国を混迷させ、国民全体を「スモーキー・マウンテン」の中に放り込もうとしているようであった。

政治不安と貧困はテロを誘発し、海外投資は先細りし、フィリピンの将来の前には暗く大きな穴がぽっかりと開いている。

翻(ひるがえ)ってカンボジアを見ると、この国もまたフィリピンと同じく貧困の中であえぎ、国民は明日も知れぬ生活を強いられている。

夜な夜なディスコで遊び回る娘もいるが、まだまだカンボジアのほとんどの国民は、明日も食物にありつけるのかどうか分からないような瀬戸際の生活をしている。中でもスタンメンチャイの人々の悲惨さは際立っている。

(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきたカンボジア売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア カンボジア編』にて、全文をお読み下さい)

ブラックアジア・カンボジア編
『ブラックアジア・カンボジア編 売春地帯をさまよい歩いた日々(鈴木 傾城)』

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