クレイジー・ホース。オーチャード・タワーの女たちと英語

クレイジー・ホース。オーチャード・タワーの女たちと英語

ゲイラン・ストリートがシンガポールにおける置屋街の代表だとしたら、オーチャード・タワーは売春ディスコ群の代表になる。そして中でもクレイジー・ホースは現在のオーチャード・タワーのディスコの中ではダントツの人気を得ている。

真夜中にオーチャード・タワーへ出入りする女性たちは99パーセント売春女性たちだ。当然、クレイジー・ホースに出入りする女性もまたそうだ。

店内には英語が飛び交い、彼女たちは英語の渦の中を泳ぎ回って相手を捜す。

オーチャード・ロードの西の外れにオーチャード・タワーはある。昼間は欧米人御用達のマーケットや観光客相手の足裏マッサージ店などが開いている。しかし、夜になると各ディスコや娯楽施設が目を覚まし出す。

ビル内は吹き抜けになっている。停止したエスカレータを登って行くと、2階にはピンク・プッシー・キャット、イパネマなどがある。3階はマッド・ドック、そして4階にはクレイジー・ホースとトップ・テンが軒を並べている。

ショッピング目当ての観光客が消える真夜中に行くと、入口にはすでに十数名ほどの売春女性たちが男たちに流し目をくれている。

男たちは行きずりのセックスを求めており、女たちはそれを知っている。タイの女が多いが、フィリピンから来た女やスリランカから来た女も混じっている。英語で話しかけてきたり、腕を絡ませてくる女を……

(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきた売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア』。本編に収録できなかった「はぐれコンテンツ」を掲載。電子書籍にて全文をお読み下さい)

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