◆セックス・マシーン。バンドン生まれのセックス・マシーン

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彼女の名前はヘリナと言った。インドネシア・ジャワ人である。まるで優雅な黒豹のようだった。

軽く波打ったショートカット・ヘアはその野性的な表情によく似合っていた。無駄な贅肉など一切ついていないスリムな身体にぴっちりと張りついた黒の衣服は彼女の美しさを際立たせていた。

インドネシア・ビンタン島の、カラオケ屋を模した売春宿「サンライズ」にぶらりと入って、青やピンクに灯された蛍光灯の下に15人ほどの女性たちがいるのを目にしたが、ヘリナを見たとたんにこの娘を選ぶべきだと確信した。ピンと来るものがあった。

いろんな売春宿に入り浸っていると、ときどき群を抜いて「妖しい魅力」を漂わせている娘を見かけるものだ。

美しい女性ならどこでもいる。そうではなくて、美しさとはまた違う別の次元の吸引力というのはある。

彼女と他の女性の何が違うのかよく分からないのだが、抗しがたい魅力をオーラのように発して、まるで魂が吸い込まれてしまいそうになってしまう。

ヘリナは明らかにそんな雰囲気を持ち合わせていた。いささかの迷いもなく彼女を指名してホテルに連れて帰った。

しかし、あまりにも彼女を早く選びすぎたので、かなり強引な印象を彼女に与えたのかも知れない。彼女は警戒していた。

何しろ、サンライズに入ったとたんに他の女には目もくれずに彼女を指名しているのだ。なぜ自分が選ばれたのか分からない彼女にとっては、男の行動は不可解で不気味だったとしても分からなくもない。

開口一番、彼女が言ったのは……

(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきたカンボジア売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア インドネシア編』にて、全文をお読み下さい)

ブラックアジア・インドネシア編
『ブラックアジア・インドネシア編 売春地帯をさまよい歩いた日々(鈴木 傾城)』

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