夕方も過ぎて徐々に暗くなって来ると、インドネシアの巴淡(バタム)島ナゴヤの喧噪は、少しずつ薄らいでいく。走っている車は相変わらず減ることはないが、人の姿は心なしか少なくなって来るのが分かる。
開いていた雑貨屋やマーケットが閉じられ、一日の仕事を終えた人々は家族の待つカンポン(集落)へ帰って行くのだ。昼間は痛みを感じるほど強烈な光と紫外線を放射していた太陽は落ちて行き、空の色が濃紺へと変化していく。
バタムはちょうど赤道の真上に位置する熱帯地方だ。身体に蓄積する紫外線の量も半端ではない。太陽が落ち始めると、バタム島ナゴヤの街は屋台で食事を楽しむ人に交じって、夜の住民たちがちらほらと姿を現すようになる。
普通の人々の一日の終わりは、夜の女やハイエナのような男たちにとっては一日の始まりである。
カラオケ屋やパブへ行こうとする華人の男たちに混じって街をうろつく。すると、勘の良いオジェッ(バイク・タクシー)の運転手がやってきて、「カラオケ? ディスコテク?」と聞いてくる。
自分から声をかけてくる運転手は、ほとんどカタコトの英語ができる。インドネシア語のまったくできない人間には彼らは心強い存在だ。しかし、同時に彼らはぼったくり運転手でもあるので悩ましいところだ。
彼らと一緒に店に入ると、もちろん店側は運転手のマージンを代金に上乗せする。そんなわけで……
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