1998年5月、インドネシアのコタの街で起きたレイプと虐殺

1998年5月、インドネシアのコタの街で起きたレイプと虐殺

インドネシアで経済の中枢をしっかりつかんでいる中国系の人々は、常に嫉妬や羨望の的だ。その事実は「中国系に搾取されているから他は貧しいのだ」という歪んだ感情となって鬱積してゆく。

だから、暴動が起きると中国系の人々は真っ先に略奪の対象になってしまう。スハルト政権もいよいよ末期に近づいた1998年5月もそうだった。

経済危機から端を発した大学生のデモに軍は発砲し、四人の学生が殺害された。これが直接の暴動のきっかけだった。暴動が起きると、すぐに貧しい人々が暴動に乗じて商店・銀行を略奪し始めた。

日用品を扱ったデパートや個人商店も、もちろん暴動の対象である。コタのあちこちの建物が投石され、放火された。そして、スハルト大統領に対する暴動は、いつしか中国系の人々に対する残虐な暴行へと変質して行った。

暴徒は商品を略奪するばかりか、徒党を組んで中国系の人々に暴力を振るい始めたのだ。女性たちはレイプされ、男たちは殺された。特に華人女性に対するレイプは、執拗に、かつ組織的に行われた。

報告が上げられているだけでも168人、精神的ショックや報復を恐れて何も言わない女性も多いようなので、この数字は氷山の一角だと言われており、実際にレイプされた女性はさらに多いようだ。

娘たちは母親が見ている前で、あるいは父親が見ている前で素っ裸にされて何人もの男にレイプされた。

多くの人々が見守る前で裸にされて踊らされ、その後に衆人環視の中で輪姦された女性もいる。車の中から無理やり引きずり出されて着ていた服を剥ぎ取られてレイプされた娘のケースも報告されている。

母親と一緒にレイプされた娘もいれば、姉妹同時にレイプされたケースもある。妹の方はレイプされた後、殴り殺されていた。恐るべき集団犯罪が華人を対象に吹き荒れていたのだ。

助けようとした家族の男たちは容赦ない暴行を浴びせられ、中には殺されて火の中に放り込まれた被害者もいた。自分の娘をレイプしないと殺すと言われた父親もいる。レイプされて火の中に放り込まれて殺された娘もいる。

ある18歳の娘と16歳の姉妹は共に集団レイプされた後に燃えさかる建物の中に放り込まれた。鎮火した建物から運び出されたふたりの姉妹の遺体は、真っ黒に焼けただれて損壊しており、両手両足の先は……

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