東南アジアではゴールドは宝飾というよりも財産として考える。世の中が激変したときに紙幣は価値を失ってしまうことがある。
たとえば、ベトナムでは1970年代に米ソの代理戦争である「ベトナム戦争」が共産主義側の勝利となって、それを嫌った南ベトナムの人たちが大挙としてベトナムを逃げ出した。
あるいは、カンボジアでもロン・ノル政権が崩壊してクメール・ルージュが勝利したときも、共産主義を嫌った華僑もみんなプノンペンを捨てて逃げ出した。
現地の紙幣など、海外では何の役にも立たない。まして、カンボジアではポル・ポト政権が最初にやったのは「通貨の全廃」である。
現地通貨など屑も同然なのである。