フィリピン・アンヘレスの狭い安っぽいバーに入ると、踊っていた何人かが振り向いて、ちらりとこちらを見た。彼女たちはすぐに目をそらして踊りに戻ったが、あまりやる気が見られないのは、気の抜けた踊りを見ていると分かる。
アンヘレスのバーはバラツキが大きい。女性たちが極端にハイテンションなところもあれば、ほとんどやる気のないバーまで各種揃っている。
逆に言えば、その日の自分のコンディションに合わせてバーの渡り歩き(バー・ホッピング)をできるのが素晴らしい。
ソファーに座ると、一人のウエイトレスがにこやかに笑いながらも、どこか用心しているような目でやってきて飲み物の注文を聞いた。
ときどき、男をこのような警戒する目で見る女性もいる。かと思えばまったく無警戒な女性もいる。
次にやってきたのが、その無警戒なタイプだった。彼女は臆《おく》することもなく声をかけてきて、にこやかに笑い、馴れ馴れしく横に座った。そして、手を絡ませてきた。
髪が美しかった。驚くほどだった。
鏡のように光を反射するブラックだ。彼女が髪の手入れに相当な時間をかけているのが推測できた。それにしても……
(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきた売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア フィリピン編』にて、全文をお読み下さい)
日本でも、80年代後半頃は流行のせいか腰まで伸ばした女性が多かったのに今はほとんど見かけなくなりましたね。ショートヘアの女性が溢れているのは時代の流れでしょうか……。
いつもショートやおかっぱだった女性があるとき急に髪を伸ばし始め、しばらく見かけないうちに腰まで伸びたのを見てドキッとさせられた経験があります。
また小学校・中学校・高校と、それぞれ1学年に1人は髪の長い女性がいたのを思い出しました。中学のときに1つ上の学年にいたある女性は、膝まで伸ばした髪をいつも左右の2本三つ編みにしていました。
小学校・中学校と私が好きだった同級生のある子は、それまでずっと肩までの長さをキープしていたところ、中学2年の途中から髪を伸ばし始め、3年の冬には腰のあたりまで伸びていました。
天然パーマだったためサラサラのストレートではありませんでしたが、少しずつ髪が伸びていく姿を目の当たりにして、どきどきしたことを覚えています。
髪を伸ばし、それを維持するというのは並大抵以上の努力が必要になります。すぐには伸びませんし、手入れのためのお金もかかるはずです。それでも腰やヒップまで、あるいはそれ以上髪を伸ばすということは自己顕示欲が強いのでしょうね。
鈴木さんが不思議な女性に出会って、
いろんなことを考えるエッセイが好きです。
こんなことあるある、こんな人いる、と画面に向かって
うなずいてます。
もっとたくさん書いて下さい。
待ってます。
自論ですが、髪のきれいな女性はわがままに(自分にストレス無く)生きている人が多いです。おおざっぱに見える女性でも髪がきれいでないと、この人意外と繊細なのかなと思ったりします。
髪って性格、生き方が出ると思いますよ。
だからこの彼女、自己陶酔でストレス無く生きているんじゃないですかね?