タイ編
子供の頃に過ごした町から離れ、今はまったく違う場所で暮らしている人はたくさんいるはずだ。

何十年も、そんな想い出の町に戻っていない人がいれば、いつか機会があれば戻ってみて欲しい。

すべてのものが小さく感じ、建物も変わり、人も変わり、まるで自分だけがその世界で取り残されたような気がするはずだ。

もう想い出の中にあった建物はない。あの頃一緒に遊んだ友達もいない。ただ、想い出の欠片と、町の名前だけが残っている。

世の中は常に変わっていき、人の姿も、町の姿も、そして知らず知らず自分自身も変わってしまう。そのとき、一抹の寂しさと共に、やがてその想い出が郷愁になっていく。

私にはタイ・バンコクのパッポン地区が、すでに郷愁の地になった。町が変わっていくことへの寂しさと、繊細で淡い郷愁は、きっとあなたにも分かってもらえると思う。

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