東日本大震災が起きて、全世界が驚いたのは、これだけめちゃくちゃになって警察や行政機能が麻痺したというのに、日本では略奪が起きなかったことだ。
実際には闇に紛れて何者かが徒党を組んで略奪をし、暴力団も被災地に乗り込んで略奪をしていた。略奪が皆無だったとは言えない。
しかし、相対的に見ると、日本人は驚くほどの自制心と助け合いの精神を発揮し、被災地には秩序があった。
どこの国でも災害や暴動が起きると、「略奪・強盗・暴力・レイプ・殺人」が拡大する。挙げ句の果てに、被災地が無法地帯になる。2010年のハイチは、地震直後からそうなった。
ところが、日本ではそのような兆候はまったくなかった。
また、大地震が起きてもパニックで暴動が発生するというのもなかったし、絶叫して街を占拠する人もいなかった。