表の世界の女性がアンダーグラウンドに堕ちる例は夥しくあるが、その逆にアンダーグラウンドの女性が表の世界にまで進出して世界的に存在感を示す例は珍しい。
さしずめ、「チチョリーナ」として知られているイローナ・スターレルは、そんな珍しい女性のひとりだと言える。
彼女は1970年から1989年までずっと現役のポルノ女優で、ポルノ女優を兼任しながら1979年には「緑の党」で出馬して、圧倒的人気で当選した。
このとき、イタリアの政治はどうなっているのかと世界中が嘲笑を浴びせた。
しかし、いまやシルビオ・ベルルスコーニの悪行のほうが知られるようになって、「チチョリーナのほうがまだマシだった」と言われるほどになっている。
2008年にはミリー・ダブラッチオという別のポルノ女優も当選しているし、2009年にはベニート・ムッソリーニの孫であるアレッサンドラ・ムッソリーニは党本部で不倫性行為。
なるほど、イタリアという国家が沈みゆく国であることはこれだけでも理解できる。