◆鈴木傾城は「私、エイズなのよ」とつぶやいた女を抱いた

◆鈴木傾城は「私、エイズなのよ」とつぶやいた女を抱いた

この日のバンコクは異様に暑かった。

かなりの夜更かしをしたので、起き出したのは昼前だったが、ホテルから一歩外に出ると、すでに耐え難い暑さになっている。

昼食を食べようと外に出てはみたものの、あまりの暑さに食欲が失せた。喉《のど》が渇いたので何か飲もうと思ったが、ふとスクンビット通りか、ソイ3あたりのオープンバーで女たちと話をしながら飲み物を取ろうと思い立った。

少しの距離を歩くのも億劫《おっくう》だったのでタクシーを使ってソイ3に向かう。バンコクの渋滞はひどいとは言われているが、特に何とも思わなかった。疲労が消えない身体にはタクシーの冷房が快適で、気がつけば意識が薄れていく。

最近はずっと疲れが取れなかった。特に起きがけがつらい。

投げやりになるし、目が覚めたあとも、いつまでもだらしなくベッドに横たわっている。もう若くないということなのか。それとも、連日連夜の夜更かしが身体にダメージを与えているのか……。

体調が悪いと、すぐに性病を疑ってしまうのは、それだけ……

(インターネットの闇で熱狂的に読み継がれてきたカンボジア売春地帯の闇、電子書籍『ブラックアジア タイ編』にて、全文をお読み下さい)

ブラックアジア【タイ編】表紙
『ブラックアジア・タイ編 売春地帯をさまよい歩いた日々(鈴木 傾城)』連載当時、多くのハイエナたちに熱狂的支持されたブラックアジアの原点。

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