CIAワールド・ファクトブックを元にした「世界で最も惨めな国」の最新版(2013年2月11日版)がビジネス・インサイダー紙で紹介されている。

これは、インフレ率と失業率の2つの経済指標から見て、どうしようもないほど破綻してしまっている国家を抽出して選ばれたものだ。

世の中は、暴力と汚職とにまみれているが、ここに役に立たない政府や政権が加わると、全体に毒が回って破綻国家が出来上がる。

そうなったとき、インフレ率と失業率のいずれかが、あるいは両方が最悪値を示すことになる。

たとえば、2013年2月時点で、この世で最悪の失業率を叩き出しているのは、ジンバブエである。その値は95%。実に、国民100人中95人が失業している。

ジンバブエと言えば、史上空前のハイパーインフレを招いた国家としても知られているが、結局あれで世界に捨てられてジンバブエには「何もなくなった」のである。(世界のジンバブエ化。ハイパー・インフレでどうなるのか?

まずは、「世界で最も惨めな国トップ25」のリストを眺めて欲しい。


世界で最も惨めな国トップ25


1位 ジンバブエ(インフレ率8.3%、失業率95%)
2位 リベリア(インフレ率5.5%、失業率85%)
3位 ブルキナファソ(インフレ率4.5%、失業率77%)
4位 ベラルーシ(インフレ率70%、失業率1%)
5位 トルクメニスタン(インフレ率10.5%、失業率60%)
6位 ジブチ(インフレ率4.3%、失業率59%)
7位 ナミビア(インフレ率5.8%、失業率51.2%)
8位 ネパール(インフレ率8.3%、失業率46%)
9位 コソボ(インフレ率8.3%、失業率45.3%)
10位 シリア(インフレ率33.7%、失業率18%)
11位 スーダン(インフレ率31.5%、失業率20%)
12位 レソト(インフレ率6.1%、失業率45%)
13位 ケニア(インフレ率10.1%、失業率40%)
14位 セネガル(インフレ率1.5%、失業率48%)
15位 マーシャル諸島(インフレ率12.9%、失業率36%)
16位 アフガニスタン(インフレ率13.8%、失業率35%)
17位 スワジランド(インフレ率8.4%、失業率40%)
18位 ハイチ(インフレ率5.9%、失業率40.6%)
19位 イエメン(インフレ率11.4%、失業率35%)
20位 ボスニア(インフレ率2.2%、失業率43.3%)
21位 ガザ自治区(インフレ率3.5%、失業率40%)
22位 モルディブ(インフレ率12.8%、失業率28%)
23位 イラン(インフレ率23.6%、失業率15.5%)
24位 モーリタニア(インフレ率7%、失業率30%)
25位 マリ(インフレ率6.5%、失業率30%)



インフレが進行しすぎて、単なるゴミと化したジンバブエドル。これが本当の「紙くず」だ。

日本で失業率20%になるというのはどういうことか


先進国でも失業率が20%を超えると、暴動が起きると言われている。これは仕事を創出することができない政府に責任があると、誰もが考えるからだ。

実際その通りだ。暴動が起きないほうがおかしい。

日本は総人口は約1億2000万人だが、労働力人口を約6650万人ほどとして計算すると、その20%と言えば、約1310万人である。

皮肉なことに、この数字は東京都の人口である1313万人(2012年12月)とほとんど変わらないことに注目して欲しい。

日本で失業率20%になるというのは、すなわち東京都の住民が全員仕事を失った状態というのと同じなのである。

毎朝、首都圏では満員電車で大混雑するが、その全員が失業している状態を思い浮かべて欲しい。

そこにインフレ率が5%を超えていくような事態になると、仕事がない上に、なけなしの貯金すらも目減りして奪われて行くことになっていく。

だから、暴動が起きて当たり前だというのが分かると思う。

まさか、そんなことが起こるはずがないとあなたは考えるかもしれない。

その「まさか」は世界中どこでも起きており、その中でもひどいのが上位でリスト化されている国家というわけだ。

以前、世の中のすべての国を資本主義にする必要があるのかどうかと疑問に思ったことがある。(果たして、すべての国が資本主義になる必要があったのか?

本当はグローバル経済から完全に切り離されて、資本主義ではない方が幸せでいられるのではないかと思わせる国も多い。

資本主義の失敗国家上位にアフリカが並ぶというのは、アフリカなどは資本主義に馴染まない国だと証明しているようなものだ。

アフリカに資本主義を定着させようとするよりも、むしろ資本主義とは別の、昔ながらの部族主義のようなものに戻して上げて、違う世界だと割り切るほうがいいのかもしれないと思うときもある。

もちろん、グローバル経済は空白を許すはずもなく、すべての国を資本主義化して金で人を踊らせるのは知っているが……。


貧困のジンバブエを捨てて南アフリカに流れ着いても、やはりそこで貧困に落ちる。


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