誰もグアテマラには興味がない。誰もグアテマラがどこにあって、何が起きているのかを知らない。

グアテマラは1960年から1996年まで、延々と36年も内戦を続けてきた国であり、未だに治安は悪化したまま改善の兆しがない。

メキシコからは麻薬カルテルが武器と麻薬を持ってグアテマラに流入しており、この国はより危険になってきている。誰にとって危険になっているのか。もちろん、女性たちである。

暴力と貧困の渦巻く国になったら、女性は気をつけた方がいい。どこの国でも、まず最初に貧困がやって来ると、その次には間違いなく暴力が蔓延して女性に襲いかかっていくからだ。

その暴力はしばしば性暴力(レイプ)となって、若い女性はひとりとして無事でいることはできない。

グアテマラが長い内乱で疲弊し、貧困を根絶することなど不可能な状況下にあり、ほとんど無政府状態であるならば、グアテマラの女性がどんな状況にあるのかは、あなたも推測できるはずだ。

この国の女性は、もちろん最悪の状況に置かれている。


メキシコから麻薬カルテルが流れて来た


どのように最悪なのか。

グアテマラは20万人が死んでいったという絶望的な内乱を1996年に終結させた。しかし、戦争の終わりは、必ずしも平和ではない。

確かに大虐殺はなくなったが、銃と暴力は放置され、政府も脆弱であったために治安を安定させることができなかった。それが、2013年に入ってからも続いており、状況はむしろ悪化する一方になっている。

2000年に入ってから、グアテマラでは女性に対する暴力が目立って増えているのだった。それもまだ5歳や6歳の少女が無残にレイプされて殺されるケースも多い。

死体の扱いも残虐で、集団レイプされて捨てられた女性の死体は、しばしば四肢切断されていたり、殴打されて顔の判別すら付かない状態になっている。

この死体に対する残虐な扱いは、メキシコから麻薬カルテルが流れて来るようになってから、ますます増えた。彼らの残虐な死体の扱いは、常に「逆らえば、このようになる」というメッセージがこめられている。

だから、死体は隠すものではなく、晒すものになっている。このあたりについては、ダークネスで取り上げている通りだ。(殺戮大陸メキシコの狂気(1)麻薬に汚染されてしまった国家

そのせいで、多くのグアテマラ女性が、恐れて家に閉じ籠もるようになっているのだという。

グアテマラのギャングたちを見たことがある人はいるだろうか。彼らはひと目見てギャングであることが分かる。日本のヤクザすらも驚愕する入れ墨にまみれているからだ。





犯人を知っていても、捕まえられない


グアテマラで最も危険なのはメキシコ南部と国境を接するペテン県であると言われている。

ここは南米とメキシコを結ぶ麻薬運搬の中継地のひとつとなっており、メキシコからも多くの麻薬カルテルが拠点を持っている。

しかし、ここだけではなく、首都グアテマラシティそのものも暴力で満ち溢れている。2012年の殺人事件は5155件にも達している。

アメリカと同じく銃器所持が認められている国なので、銃撃戦もしばしば起きている。出回っている銃は中米で最も多く150万丁で、そのほとんどが違法銃であると言われている。

窃盗も強盗も白昼堂々と行われており、「マラス」と呼ばれている10代から20代の若者が中心となったギャング集団が強盗・殺人・レイプを繰り返している。

グアテマラがどれくらい治安が悪いのかというのを示すエピソードがある。あるとき、17歳の娘を殺された母親は犯人が誰かを周りから教えてもらって知った。

自分が毎日通っている道にある肉屋の息子だった。

しかし、この息子はやはり「マラス」に所属する札付きのギャングであり、目撃者は報復を恐れて誰も証言しなかったので、この男は無罪になった。

彼女は今でも自分の娘を殺した男の家の前を通って歩かなければならないのだという。




集団レイプされたあとに殺される


犯人が分かっているのに逮捕されないのがグアテマラの治安であり、メキシコやブラジルと同じく、警察がまったく頼りにならないので、軍が治安維持に当たっている。

しかし、それでも麻薬組織の方が資金が潤沢であり、浸透が深く、治安改善には結びつかない。

誘拐も日常茶飯事に起きており、それがひとつのビジネスにもなっている。

現地では、街で携帯電話の着信音は絶対に鳴らさないようにしているのだという。

着信音が鳴れば、周りに携帯電話を持っていることを知らせ、強盗の標的になるか、もしくは人間ごと拉致される危険性があるからだという。

誘拐されるのは富裕層だけではない。普通の中産階級の人間も狙われている。カネが引き出せないと分かると、人質は簡単に殺されて捨てられる。

女性の場合は、若い女性であれば、ほぼ全員がレイプの標的になってしまう。そして、レイプはそのほとんどが泣き寝入りになる。

場合によっては、集団レイプされたあとに殺される。

女性の死体はしばしば山間にゴミと一緒に捨てられているが、ひとりだけでなく、ふたりまとめて捨てられていることもある。

これが、グアテマラの悲惨な現状だ。







次々と殺されていくグアテマラの女性たち。


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