タイは比較的安全な国だと言われている。しかし、タイの深南部(ディープ・サウス)に限って言えば話は別だ。
この地区は、まったく安全ではない。この深南部を構成する地域は、2001年から非常に激しい爆破テロがいつも起きている。
2013年3月21日でも、パタニ県パタニの中心部で、突如としてバイクに仕掛けられた爆弾が爆発して死傷者10人を出すテロが起きている。
インラック首相は2013年2月に、和平対話を呼びかけて、武装勢力側と合意文書を交わしたばかりだったが、それを嘲笑うかのようなテロ事件だった。
この地区はイスラム武装勢力が群雄割拠している。
中央政府がどこかの武装組織と停戦合意を交わしても、まったく意味がないことを示している。タイ政府はこれまで、懐柔策から強攻策まであらゆる方法を行き当たりばったりに試しているが、どれも効果がなかった。
事態はますます混迷していく一方だ。