いつだったか、タイ・バンコクのNEP(ナナ・エンターテーメント・プラザ)にいたとき、奥が大騒ぎになって、ひとりの女性が担架で運ばれるという騒ぎがあった。

中年の女性だったが、何が起きたのか聞くと"No breath"(息をしてない)ということだった。バーで突然苦しみだして倒れたのだという。恐らく心臓麻痺だと思うが、急死だった。

カンボジアで、私がいつも泊まっていたホテルのひとつに、オキデーホテルがある。ここの従業員は、昔は床にそのまま寝て夜を明かしていた。

ある朝、ひとりの従業員がそのまま死んでいたと大騒ぎになったという。私がカンボジアから戻ったあと、インターネットでその怪死事件を知った。恐らく私の顔見知りだったのは間違いない。

人はなかなか死なないと思うが、自分が30代に入ったあたりから、ぽつぽつと知った顔が消えて行く経験を誰しもがする。そして、ふとこう考えることもある。

もしかしたら、自分も突然死するのではないか?

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