普通の女性が、ある日突然、家族も家もカネもなくして、何の庇護もないまま無法地帯に放り込まれたら、どのようにして生きていけるのだろうか。
そんな極限的な世界に放り込まれたのが、ハイチの女性たちだった。
2010年1月12日に起きたハイチ大地震のあと、すぐに瓦礫の中で復活したビジネスは売春だったと言われている。すべてを失った女性たちが、略奪と大混乱の中で、為す術をなくして次々と瓦礫の中に立ったのだ。
首都ポルトープランスさえも壊滅して政府機能すら失っているので、この国は一瞬にして無法地帯と化した。
そんな中で、親を失った少女も、家族を失った母親も、住む場所もわずかなカネもなくして、文字通り、路頭に迷って街をさまよっていたのだった。
彼女たちが生き延びるためにできることはほとんどなかった。唯一、彼女たちが売ることができたもの、それが「自分の肉体」だったのだ。
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