シンガポールをさまよい歩いていたとき、ひとりのスリランカ女性と知り合った。リーパという名前の女性だった。もし時間が許せばふたりでどこかに引きこもって暮らそうという話になった。
しかし、彼女はシンガポールに偽装パスポートで入国していたので、警察から身を隠しており、結局、最後には彼女とは連絡が取れなくなった。
リーパはスリランカ女性だったが、東南アジアには非常に詳しく、ジプシーのように東南アジア中にネットワークを持ち、それぞれの国をよく知っていた。
そんな彼女が、最もお気に入りの場所のひとつとして挙げたのがシンガポールから目と鼻の先にあるジョホールバルだった。
ジョホールバルではなくても、マレーシアであれば良かったのかもしれない。彼女はマレーシアを愛していた。
シンガポールは彼女には合わず、故郷のスリランカも彼女は愛していなかった。かと言って、日本では暮らせるとは思えないと言った。
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