古代のキリスト教が禁止していたものがある。それはリズム性のある音楽だ。

アフリカではリズムのあるパーカッションで陶酔(トランス)状態に陥る黒人たちの姿はキリスト教徒にもよく知られていたが、音楽は古代のアニミズムを呼び起こす仕掛けになっているとキリスト教徒は考えたのだった。

実は、それは間違っていなかった。

音楽というのは、もともと麻薬性・呪術的な要素がある。何の音楽を聞いても、感情は高揚していく。どの音楽で感情が高揚するかは個人の趣味や思い出に関わっているから特定することは意味がない。

ロックが好きな人はロックを聞いてエクスタシーを感じるだろうし、ベートーベンが好きな人はそれで激しくドージング(麻薬投与)のような症状に陥るだろう。

バリで集団合唱をする異様な伝統的舞踊がある。ケチャ・ダンスである。ケチャの様式もまたそのような「麻薬音楽」を視覚化したものだ。あれはトランスを呼び起こす。

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