2013年9月21日の昼頃、ケニアのナイロビにある大型のショッピングモール「ウエストゲート・ショッピング・モール」で、突如として武器弾薬を持った10人から15人ほどの覆面をした男たちがなだれ込んで来て、銃を乱射し始めた。
一瞬にして現場は阿鼻叫喚にまみれ、死者がフロアに倒れて床を血まみれにした。
彼らはケニアの北側にある国ソマリアで活動するアルカイダ系の反政府組織「アル・シャバーブ」と名乗るグループだった。
ケニアは国際テロ組織アルカイダの関連グループである「アル・シャバーブ」の掃討作戦に参加して、ソマリア内でこのグループを摘発していたが、これに対しての報復として今回の事件は起こされたようだ。
しかし、アル・シャバーブは無差別殺戮をしているわけではなかった。彼らはイスラム教徒を逃して、非イスラム教徒を殺していた。どちらか分からない人間がいたら、彼らは銃を突きつけてこう質問した。
「預言者ムハンマドの母親の名前を答えろ!」
この質問に答えられなかったら、殺される
あなたは、イスラム教の始祖ムハンマド(マホメット)の母親の名前を答えることができるだろうか?
アル・シャバーブは、ムハンマドの母親の名前を尋ね、それに答えられたらイスラム教徒、答えられなかったら非イスラム教徒として殺害していた。
もしあなたが現場にいて、この質問に答えられなかったら、殺されていた。逆に、あなたがたまたまムハンマドの母親の名前を知っていたら、イスラム教徒ではなくても助かっていた可能性がある。
ムハンマドの母親の名前は、「アーミナ」という。
殺された人たちの国籍は続々と判明している。カナダ人、フランス人、インド人、オランダ人、韓国人、中国人。
もしかしたら、みんな母親の名前である「アーミナ」を言えなかったのだろうか?
現在のところ、死者は60名を超え、負傷者も205人以上になっている。負傷した人々の中にはアメリカ人も5名含まれていたと言われている。
また、死者の中にはケニヤッタ大統領の甥とその婚約者がいたという。
負傷者の中には撃たれて流血がひどく、生命に危機がある人たちも含まれているということなので、死者は今後も増えていく可能性もある。
彼らはモール内で手榴弾を投げ込んで見境なく破壊も続けており、警察には手に終えずに、ケニア軍が出動した。
隣国に関わると、暴力の応酬が起きる
現在も、軍が主導してショッピングモールを包囲して、人質の救出作戦を続けている。すでに1000人以上が脱出に成功している。
22日には投入される兵士はさらに増えて、上空からはヘリコプターが旋回して犯人の狙撃を試みているようだ。
武装勢力の一人は撃たれて拘束されたが、病院で死亡している。そして、武装勢力と思われる人間の遺体が数人分回収されている。
しかし、残りの人間たちは人質を取ってショッピングモールの4階に立てこもり、まだ完全に制圧されていない。
人質にされているのは30名ほどの人たちであるという。まだ詳しくは分からないが、女性と共に幼児もいるようだ。
すでに武装グループたちとの銃撃戦で、兵士も4名が負傷している。
アル・シャバーブは、軍が突入してきたら、人質を殺害すると予告しているが、すでに事件から3日経とうとしており、長引く人質交渉はあり得ない。
もしかしたら軍の突撃で、武装グループは、人質もろとも全員死亡する可能性もある。
武装組織は、ケニアが無実なソマリア人の難民を殺していると批判しており、もしケニア軍がソマリアから撤退をしなければ、同じ事件がこれからも続々とケニアで起きると声明を発表している。
隣国同士が互いに相手を憎悪しているケースは至るところにあるが、どうやらケニアとソマリアもまた民族感情が非常に悪く、互いに互いを嫌い合っているという。
隣国に関わると、暴力の応酬が起きる。そして、一度起きた暴力はさらなる暴力を生み出す。ソマリアの無法と暴力は、いよいよケニアにも忍び寄っていくのだろうか?
【アフリカ】
リアルタイムの話も興味深いです。
これからもこうした話題を取り上げてほしい。
何と言っていいか、どうしたらいいかわかりません。人々が集まり、楽しくやっている場所が突如流血の惨状になる…誰も予測はつかないし、そしてその落差、落差と言っていいかどうかさえわからないけれど、もう…
テロリスト、テロ集団といわれる者たちも、彼らもまた人で、個別に見れば親も子も兄弟も友達もいる人で、人格破綻者とか狂人とか変態ではなくて、何か必死なものがあって…(決して擁護するつもりはありませんが)
とりあえず、マホメットもといムハンマドの母の名は記憶しました。
全世界的に、イスラム勢力は、十把一絡にするわけにはいかないだろうけれど、あちこちで問題を起こしているというか、火種になっていると思います。だけどそれも彼ら一人(勢力)のせいだけではないだろうと思います。
だから、鬼畜とかわけわかんないとか怖いとかだけでなく、彼らの依って立つ信条や文化やなりゆきというものにしかと目を向けなければならないと思います。
かつての日本のように、鬼畜○○とか、敵国語を使うな学ぶなとか、そうではなくて、ますます興味を持って(+の意味でも-の意味でも)見つめていかなくてはと私は思います。
私の恩師(今は亡き)の話を思い出します。
赤紙が来て、徴兵検査があって、恩師の直前の順番の学生が英文科で、「貴様は敵国の文学など云々」と罵倒されたがその人は「このような時代であるけれども、自分は英文学を学んだことが、学ぶことが恥だとは思いません」と言ったもんだから部屋の隅まで張り倒されてどっか連れて行かれた。恩師は戦々恐々として順番になったが、やたら面接官がニコニコとしていて、「何宗だ?」ときかれ、一瞬わけわからなかったけれど「はっ浄土真宗であります!」と答えた。
「私は嘘は言っていない、ウチの宗派は浄土真宗だから。でも、この年に至るまで私は前の英文科の学生を尊敬し続けている。」
そう、恩師の専攻は仏文です。
君たちはまさかそんな、と思うだろうが、そんなものだったのだよ、と自嘲的におっしゃったお顔が忘れられません。
すみません長くなりました。傾城様のご文を読みながら、色んなことを思い、かつ、思い出します。aurore
ケニアの大学がイスラム過激派アル・シャバーブに襲われて147人が死亡する大惨事が起きています。以前、このブラックアジアでこの組織について書いています。あなたは、ムハンマドの母親の名前を知っていますか? 知らないと、殺されます。
【鈴木傾城】