表の世界には表のやり方がある。裏の世界では裏のやり方がある。表の世界で違反とされているものこそが、裏側では実践されているというのはよく知られている。
「記憶する」というのは表社会では重要な儀式だ。
記憶力の良い人は学校や社会では尊敬され、一目置かれるので、表社会では「いかに記憶力を高めるか」が非常に関心のあるテーマであり続けている。
夜の世界・裏側の世界に生きる人たちは頭脳はなくてもいいのかというと、もちろん、そういうわけではない。
頭脳だけでは尊敬されないが、それでも、記憶力が良ければ、どこの世界にいても便利なことが多いのは間違いない。
だから、夜の世界・裏側の世界に生きる人たちもまた、記憶力を求めている。
記憶力を高めるために何かしようということになったとき、表の世界に生きる人は、まっとうに勉強する。それしか知らないからだ。しかし、裏の世界の人間は一味違う。