長野県建設業厚生年金基金に20年以上勤めていた、真面目なサラリーマン坂本芳信は、2003年頃から年金基金の管理をひとりで管理するようになっていた。
厚生年金基金とは、企業が独自に運用して運用益を持って退職する社員の年金にするためのものであり、ここにはサラリーマンの老後の資金になる元金が集まる。
坂本芳信はこの年金を、詐欺に関わったAIJ投資顧問株式会社のようなところに運営を任せた上に、自分はその他人の大切な年金基金を着服して遊び回るようになっていた。
2010年頃、横領がバレて坂本芳信は高飛びして消息を絶った。その後、調査すると23億8000万円あまりがなくなっていたのだった。
坂本芳信が年金基金の口座をどのように管理していたのかは分からない。運営損した金額、AIJに預けて吹っ飛ばした金額、着服した金額、すべて合わせて23億8000万円だった。
この男が2013年11月1日、潜伏先のタイで逮捕されていた。