ハイエナの夜
売春地帯に長くいると食傷気味になって、もう早くこんな堕落した場所から卒業してまともな生活に戻らなければと焦燥感に駆られるようになる。(そもそも、売春地帯というのは、どのような場所なのか?

しかし、売春地帯から離れると、今度はあの狂騒と狂乱が再びフラッシュバックのように蘇ってきて、悪魔のような声が耳元でこのように囁く。

「お前はまともな人間でないくせに、まともな人間になろうとしても無駄だ。あそこに戻れ……」

まだ体力のあった頃は、そんな声を聞くまでもなく放浪の人生を送っていたが、今はもう旅人を止めたつもりでいるので、その声にじっと耐える。

いろいろな国の売春地帯があるが、主に思い出すのはタイの売春地帯だろうか。パッポンや、ナナや、パタヤと言った売春地帯をよく思い出す。(パッポン。ベトナム戦争が作り上げたアジア最大の歓楽地

あそこが自分の原点ということもある。派手な売春地帯で、とても大規模で、思いが降り積もっているので、イメージしやすい。(パタヤ。女性、酒、ドラッグに溺れるハイエナの「ゆりかご」

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