治安の悪い国というのは、警察組織が機能していないことが多いということだが、これはもちろん強盗・略奪・暴力行為を行う人間たちにとっては天国のような環境である。
「欲しい物は奪え、抵抗する者は殺せ」という弱肉強食の中で、暴力の本能のまま生きることができる。
実際、無法地帯になっているナイジェリア、コンゴ、中央アフリカ、ソマリア、スーダンのような国家は、組織的な暴力が横行して警察どころではなくなっている。
銃が蔓延し、白昼堂々と武装したチンピラが女性を拉致してレイプし、商店が略奪され、抵抗する者が撃ち殺されている。
それぞれの地域が暴力にさらされて、大量の難民が生まれて人々が暴力から逃げて生き延びようとしている。
失敗国家で生きていくというのは、剥き出しの暴力の中でサバイバルしなければならないということでもある。(失敗国家になるというのは、このような状態になるということ)
国中がそんな状態になってしまっているので、人々はもう逃れられない。