弱肉強食という言葉がある。弱い生物は、強い生物のエサになるという自然界の掟を表したものである。

これは、自然界の厳しさを示す言葉だが、人間界のあらゆる場面でもこの言葉が当てはまっていると考える人は多い。ある意味、それは真実に近いかもしれない。

人間界は動物の世界と違って、必ずしも弱い人間が叩きのめされて身ぐるみ剥がされるわけではない。

人間社会の「強さ」というのは多方面・多岐に渡っており、ある分野で強い人間であっても、ある分野では最弱だったりするケースがある。

無尽蔵な体力を持った人は競技場では有利かもしれないが、学問の場では無力かもしれない。最高に頭の切れる知的な人間は先進国では有利かもしれないが、暴力と銃弾が飛び交う戦場では無力かもしれない。

人間社会は、自分の有利な場所と不利な場所が転々と入れ替わる。だから、弱肉強食というのは人間社会には簡単に当てはまらない。しかし、考えなければならないことがある。

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