◆アービンド・ケジリワル。「売春婦を即時逮捕しろ」と叫ぶ男

◆アービンド・ケジリワル。「売春婦を即時逮捕しろ」と叫ぶ男

権力の腐敗は、どこでも国民の強い怒りを招く。インドでも、政治家や警察の腐敗は蔓延していて、これがインドの安定的な成長を阻害している要因だと言われている。

インドでは日本のように何かがすんなりと決まるようなことは絶対にない。国民は他民族であり、言語も多数あって、宗教さえもバラバラだ。

価値観も、身分も、まるで薄いレイヤーを敷き詰めたように重層していて、レイヤーがひとつ変わると見えてくる世界も、扱いも何もかも違ってしまう国がインドなのである。

だから、それぞれの層が互いに相容れないまったく違う主張をして、方向性はバラバラである。では、まったく違う層を取り込んだり、懐柔したりするのはどうすればいいのか。

もちろん、最初に話し合いで説得する。そのためにインド人は非常に雄弁だ。他民族の国家であればあるほど人々が雄弁になるのは、主張しなければならないからである。

しかし、話し合いで何かが解決することはない。自分の意見を曲げるよりも、曲げさせる方が重要だと互いに思うからだ。

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