インドでも有数の売春地帯であるカマティプラは過去20年で大きく規模を縮小させているという。
かつて、1992年には約5万人もいた売春女性は、今や1600人を数えるほどに減って、しかも売春女性は高齢化しつつあると言われている。売春地帯としての旬は過ぎたのだ。
私がこの地をさまよい歩いていた2003年でも、すでにカマティプラは縮小傾向にあったのだが、それがますます拍車がかかっているようだ。
このカマティプラというのは、私にとっては非常に想い出深い売春地帯だ。良い意味ではない。悪い意味でだ。インドの売春地帯は往々にして「最悪」の経験ができる場所なのだが、カマティプラではあらゆる最悪に直面した。
ブラックアジア「第三部」はインド編を扱っているが、これを読んでもらうと、インド売春地帯の悲惨な状況が分かるはずだ。(ブラックアジア「第三部」)
普通、売春地帯が悲惨だというと、そこで働いている女性が悲惨だという話になるが、インドではそうではない。訪れている男もまた悲惨な状況に陥っていく。