カンボジア・プノンペンの喧噪を感じながら食事をするのは好きだった。
夕方の涼しさを感じる中で、ひとりで、気まぐれに好きなものを食べて、暮れゆくプノンペンの街を眺めていくと、旅の途上の郷愁を感じ、幸せに浸ることができる。
オルセー・マーケット前でも、たくさんの屋台が出ていて、たまにそこでも食事をしていた。
このマーケットの1階入口はカセット・CDを売る露天になっていて、賑やかな音楽がたくさんかかっていた。そこをぶらぶらとあるいていると、CDを売る女性が私をつかまえて何か買っていかないかと呼び止めた。
カンボジアの音楽はポップスも多いのだが、どこか日本の演歌を思い起こすような懐かしい音楽もあって、今でもその演歌調の音楽の方がよく聞かれている。
クメール語のアクセントやイントネーションはとても好きで、特に女性が切々と歌う歌にたまらなく惹かれることがある。