ハイエナの夜
久しぶりにバンコクをさまよい歩いていると、ちょうどソイ・アソークは反タクシン派に道路封鎖されて、大勢の人々が気炎を上げているところだった。

ソイ・アソークと言えば売春ストリートであるソイ・カウボーイが近くにあるので寄ってみると、ほとんど客がおらず閑散としていた。

女性たちが店に誘うが、あまり惹かれることもなく、様子だけを見てからすぐにそこを抜けて、今度は歩いてナナまで行ってみる。

淫靡な歓楽地であるナナ・プラザも久しぶりだったが、やはり一周してすぐに関心を失ってそこを抜けた。

かつてタイの売春地帯にいたときの高揚感はもはや私の心の中にはまったく存在しなかった。私は自分の心境に戸惑い、いったいどうしてしまったのだろうかと自分をいぶかった。

思い当たる点はいくつかあった。

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