2009年に、ユニセフが調査した結果によると、国境を越える人身売買の犠牲者は毎年60万人から80万人ほどいると言われている。そのうちの半分が子供たちだ。
子供たちは自分で親から離れたり、国境を越えたりしない。そこには必ず誰かが介在しているのだが、それが人身売買業者である。
人身売買と言えば、強面(こわもて)の男が道を歩いている子供をさらってしまうような場面を思い出すかもしれない。
ナイジェリアでは、2014年4月に270名近くの女子学生が誘拐されている。そういった事件はアフリカでしばしば起きるので、人々の考える人身売買とはそういったものであっても不思議ではない。
ところが、実際の人身売買の密売人は、その大半が女性であるとアメリカ国務省は統計を出している。
無理やり道を歩いている子供が拉致される場面もあるのかもしれないが、一番多いのは、女性が言葉巧みに子供を連れて行ってしまうパターンなのである。