タイ編
2005年頃だろうか。一時期、ずっとフィリピンの売春地帯アンヘレスに入り浸っているときがあった。アンヘレスはマニラから車で1時間30分ほど走ったところにある。

今や巨大なショッピングモールなどができて発展した街になったようだが、2005年頃のアンヘレスは売春地帯しか見所が何もないような場所だった。

そこの雰囲気が、なぜかタイの売春地帯パタヤを思い起こさせた。そのせいか、アンヘレスに倦んだ後は、自然とタイのパタヤに足が向くようになっていた。

それまでパタヤにはそれほど思い入れはなかったが、観光地化してしまったバンコクのパッポンに失望し、ナナ・プラザにもソイ・カウボーイにも飽きてしまった私に、居場所はもうパタヤしか残っていなかったのだ。

アンヘレスからパタヤに軸足を移していた頃、私はもうブラックアジアの「売春地帯をさまよい歩いていた日々」を書かなくなっていたが、生活はまったく何も変わっていなかった。私は売春地帯に沈没し続けていたのである。

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