ドバイと言えば、すべてにおいてテーマパークを思わせる巨大建築物群と、贅を尽くしたリゾートと、底なしの金持ちが集まる国として有名だ。
まるでこの国には「光」しかないように見える。しかし、光があれば必ず影がある。巧妙に隠されて表沙汰にされることはないが、ドバイにも影の部分が存在する。
ドバイの肉体労働者は、ほとんどが「外国人」である。
国民が裕福なために、ドバイでは、きつい、汚い、危険な労働をする人間がいない。
だから、外国から低賃金労働者を連れて来て、働かせて、契約が終われば有無を言わさず国外退去させるようなシステムを社会に組み込んでいる。金で、低賃金労働者を「使い捨て」にしている。
こういった低賃金労働者は、ドバイでは普通の地区には住めず、みんなまとめて「レイバー・キャンプ」と呼ばれる場所に押し込められて、そこで暮らすことになる。