ゴーゴー・バーのダンサーと言えば、多くはダンサーと言ってもダンサーではない。ただ、自分の身体をショーアップするためにお立ち台に立って、音楽に合わせて申し訳程度に身体を揺らせているだけである。
男も別にダンサーの技を見に来ているわけではない。女性の身体を見に来ている。だから、激しいダンス・テクニックなど求められていない。仮に求められても大半の女性は踊れない。
タイのゴーゴー・バーのダンサーに慣れていると、フィリピンのゴーゴー・バーに行ったとき驚くことがある。それは、本当にプロのダンサーがいることだ。
引き締まった身体の女性が、ポール・ダンスをしながら見事なポールさばきや開脚を見せる女性が何人もいる。タイでも何度か見たことがあるが、ほとんどいない。そういった意味でフィリピン女性はプロ意識が高いとも言える。
こういった女性を見つめながら、ふと真夜中の世界では、ほとんど見ない「肉体」があることに気付いた。ある意味、魅力的にも関わらず、ほとんど売春地帯には存在しない肉体。それは、何か……。