現代文明というのは、それぞれの分野で「専門家」がいなくては成り立たないほど複雑化している。
すでに文明の知識のすべてを理解し、ひとりで再現できる知識を持った人はいない。そのため、何らかの原因で、知識集団が欠落したとき、今あるものが二度と作れなくなる可能性も考えられる。
今はまだ文明を維持できているが、複雑なものが一度壊れると修復が難しくなるのは歴史の常である。たとえば、広大な自然破壊が極度に広がったとき、自然は再生できず崩壊に向かい、それが現代社会に悪影響を及ぼすことも考えられる。
「文明は自然破壊を超える知恵を生み出す」「必要に迫られれば人間は何でも開発する。だから大丈夫だ」
今はまだそのように考えられている。しかし、歴史を辿って行って、様々な文明や社会の崩壊劇を調べてみると、どうもそうではないことに気がつく。