旅の中で現金をどう隠すか(1)

真夜中の貧困地区をさまよい歩く旅人にとって、「現金」しか役に立たないのがインド圏である。

貧困地区に銀行など、存在しない。ATMもない。キャッシュカードやクレジットカードなど使えない。仮にどこかに銀行があったとしても、インドの官僚主義と手際の悪い窓口で、何をするにも一日仕事になる。

ごく普通の観光旅行の旅人であれば、観光地でトラベラーズ・チェックを使うこともできるかもしれない。しかし、インド圏の貧困地区では、そんなものはいっさい役に立たない。

現金しか受け付けないのである。

インド圏の安ホテル、中級ホテルは、部屋の鍵をかけてもかけていないのと同然だ。なぜなら、従業員が勝手に鍵を開けて部屋を物色するからである。

セーフティーボックスというものもない。バッグの奥底に厳重に隠しても、インドの従業員はそれを探し当てて盗んでいくのである。

私はインド圏のホテルは一切信用していない。インド圏では先進国の常識が通用しない場所である。だから、現金を隠すというのは死活問題となる。(信用できない宿に泊まる旅人は、現金をどう隠しているのか?

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