タイ・バンコクの売春地帯では、1970年代からいろんな技を持った女性がショーをする時間がある。
たとえば、1974年のフランス映画『エマニエル夫人』では、ちらりと「スモーキング・プッシー」と呼ばれる技をタイ女性が見せる場面がある。
この技は嘘でも何でもなく、本当に女性が膣(プッシー)を使ってタバコを吸う。
かつてパッポンの二階にあるライブ・バーの多くはセックス・ショーの時間が用意されていて、そこで、こうしたプッシー・トリックを行う女性が何人か出ていた。
他にもプッシーを使った吹き矢で風船を割るとか、生きた蛇を中に入れてしまうとか、あまり居心地の良くないショーをしてチップを稼いでいる女性がいて複雑な気分にさせられた。
こう言ったショーを喜ぶ男たちも多いのだが、私はここまでして生きていかなければならない女性の悲哀の方を強く感じて、それが楽しいとは、どうしても思えなかった。
しかし、そんな私にも気に入った特技を持った女性がいた。彼女は美人ではなかったが、この特技のために大人気で、いつも白人(ファラン)たちにペイバーされていた。