大阪西成区あいりん地区。ここは、かつてドヤ街と言われる地区だったが、今ではドヤが鉄筋コンクリートの安ホテルと化して、ここに多くの高齢者が住み込んでいる。
この高齢者はかつてはドヤで日雇い労働をする男たちだったが、今では高齢で仕事もできなくなってこうした安ホテルに泊まって暮らしている。
その安ホテルに泊まる金はどうしているのか。安ホテルの関係者が彼らに生活保護を受給させて、それをピンハネして利益を得ているのだった。
こうした何も持たない高齢者はもう失うものはない。だからこうした貧困ビジネスにとらわれても特に何とも思っていない。彼らは金が入るのであれば、売れるものなら何でも売る。たとえば、戸籍でも売ってしまう。
あいりん地区で「戸籍ブローカー」と呼ばれる男たちがこうした何も持たない男たちに声をかけて戸籍を買い上げているのはいくつかの事件でも表沙汰になっている。
たとえば、2010年3月には、千葉で土建業をしていた49歳の男が、あいりん地区に出かけて、男たちの戸籍を買い取っていた事件が発覚した。