私が関わって来た女性たちは恐らく半分以上は、いやもっと高い確率で人妻か、シングルマザーの女性だった。私が人妻を好んだわけではない。
途上国の売春地帯にいるのは、それだけ人妻が多かったということだ。
夫や子供のいる女性が歓楽街や売春地帯で身体を売っているというのは、表社会でごく普通に生きている人にとっては信じられないことかもしれない。
しかし、途上国では信じられないことでも何でもない。ごく普通のことだった。極貧の中であえぐ中で、自分の妻が身体を売って稼げるのであれば、それを許容する世界がそこにある。
道徳ではメシが食えない。きれい事では生きていけない。
目の前に稼げない夫と飢えた子供がいる。極貧で一家が共倒れになるのであれば、売れるものは何でも売るという超現実的な凄まじい世界が、途上国の売春地帯には普通にある。
今もまだそういった世界があるので、それは過去形ではない。
そんな世界では、妻が他の男に抱かれていてもビジネスとして許容される。そして、それは子供たちにも影響していくことになる。どうなるのか……。