◆認知症の悲劇「私の手は母を殺めるための手だったのか」

◆認知症の悲劇「私の手は母を殺めるための手だったのか」

日本は世界でも例を見ないほどの高齢化社会に突入しているのだが、そこで深刻になってきているのが認知症である。

認知症にかかると物忘れが激しくなり、やがて自分の家族や子供が判別できなくなる。そして、通常の日常生活もできなくなって徘徊したりするようになる。

認知症は記憶障害である。直前のことが記憶できない。まだ正常だった頃の記憶は残っているのだが、昨日の出来事や、場合によっては数時間前のことが記憶ができなくなる。

そのため、論理的な思考どころか、目の前にいるのが誰なのかすらも理解できなくなる。自分の子供に「あなたは誰?」と尋ねたりするようになるのだ。

やがて、食事を取ったのか取らないのかも分からなくなったり、排泄などもところ構わずしてしまうような行動も起こすようになる。

暴力を振るったり、幻覚を見たり、奇声を上げたり、逆に死んだように身動きしなかったり、人によって様々な症状を引き起こす。

被害妄想になる人もいて、身近な人が自分の物を盗んだとか、誰かが監視しているとか、そのような思い込みにとらわれる人も珍しくない。

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