ここ数日、インフルエンザで起き上がるのもつらい状況になっていたのだが、やっと症状が改善してきたので改めて自分の体調と絡めてインフルエンザについて考えてみたい。

2017年1月6日、厚生労働省はインフルエンザで感染が拡大しており、すでに推定51万人がインフルエンザで受診していると報告している。

東京都はすでに2016年12月28日の段階で「インフルエンザの流行注意報」を出している。東京23区でも流行が広がっているということなのだが、広がっているインフルエンザの型はA型であると言われている。

インフルエンザはA型、B型、C型の3種類あるのだが、C型は症状の軽いやや特殊な型で、大きく分けるとA型とB型の2つになる。

A型の特徴は「38度を超える高熱」「関節の痛み」「筋肉の痛み」「モノを飲み込むのが困難なほどの喉の痛み」が特徴であると言われている。

B型は「下痢」「腹痛」を伴うものである。

東京で広がっているのはA型であり、私の身体に表れたのもまさにすべてA型のものだった。


「何か身体がマズいことになっている」と自覚


私にインフルエンザの症状が出たのは2016年1月6日、金曜日の夜だった。(発熱、悪寒、咳。ひどい風邪なのかインフルエンザなのか?

しかし、予兆は朝からあった。私が最初に異変を感じていたのは頭痛だった。

ところが、私にとって頭痛は周期的にやって来る日常的なものであり、珍しい症状ではなかったので、アスピリンを飲んで後は時間が何とかしてくれるだろうと忘れることにした。

小さな咳もあったが、この時期に咳をすることは驚くべきことでも何でもない。空気も乾燥している。底冷えする。そんな状況では誰でも咳をする。

朝には頭痛や軽い咳のような小さな予兆があったのだが、それで自分がインフルエンザにかかったと結びつけることはできなかった。この予兆をインフルエンザに結びつけるには、あまりにも症状が軽かった。

そういったわけで、「もしかしたらインフルエンザかもしれないから出かけないで様子を見よう」という考えにはならなかった。相変わらず頭痛はあったが、私は夜になって出かけた。

私は昔から夜の街をウロウロするのが癖になっていて、今でもそれが止まらない。

真夜中にはストリートにいないと生きている実感が持てないので、用がなくてもストリートをさまよい歩いている。一種の野良犬みたいなものだ。

ところで、その時は気付かなかったのだが、今思い起こすと「なるほど」と思ったのは、身体の虚脱感と関節痛と発熱だ。

「どうも身体がだるい」というのは自覚症状としてあった。しかも、やたらと身体が熱かった。そして極めつけは階段を降りている時、左足の膝関節が痛くて思わず手すりを持って階段を降りる羽目になったことだ。

明らかに何かおかしいと、やっと私は強く感じた。しかし、せっかく夜の新宿まで来たのだから今さら帰ろうとは思わず、そのまま歌舞伎町に歩いて入っていった。

そして、街の臭いがやたらと強烈に感じ、食べ物の臭いがしただけで吐き気を催した。甘いケーキの匂いも、焼き肉の匂いも、ラーメン屋の匂いも、何もかもが限界を試すような強さで襲いかかってきた。

それでも私は無理して食事を取ったのだが、そこで限界がきた。吐きはしなかったが、吐く一歩手前まできていた。頭も心なしか朦朧とする。

やっと私は「何か身体がマズいことになっている。それも相当マズい」と気付いた。

自分がインフルエンザにかかるとは斬新だと感じた


私が電車のような公共の交通機関を使って帰らなかったのは、周囲にインフルエンザ・ウイルスをまき散らして迷惑をかけたくなかったからではない。

この時点でも私は「自分がインフルエンザかもしれない」とはまったく思っていなかった。私は「風邪にかかる一歩手前だ」と思っていた。

インフルエンザが思い浮かばなかったのは、私自身が今まで一度もインフルエンザにかかったことがなかったからだと言える。経験がないと思い浮かぶこともない。

膝が痛い上に、吐き気もするし、頭も朦朧とするのでタクシーで帰るしか選択肢がない。タクシー代は高いものについたが、そんなことを言っている場合ではなかった。

家に戻る頃には悪寒がした。最後の力を振り絞って私は服を着替えてベッドに潜り込んだが、この日の夜の症状は凄まじくひどかった。

少しでも身体を動かすと悪寒が走り、しかも頭が割れるように痛くて身動きすることすらも苦痛だった。

厚着して毛布も布団もかぶっているのにまだ寒気を感じて身体が文字通りガタガタと震えた。今まで何度も風邪にはかかっているが、こんなひどい風邪は初めてだと言わざるを得ないほどの症状だ。

しかし、風邪にしては何か症状が違い過ぎるような違和感が拭えなかった。そこでやっと私は思い至った。

「もしかしたら、インフルエンザなのではないか……」

朦朧とする頭でアイフォーンで検索してみると、インフルエンザの症状で次のものがあった。全身倦怠感、喉の痛み、咳、食欲不振、関節痛、筋肉痛、頭痛……。すべて、当てはまっていた。

「自分がインフルエンザにかかるとは斬新だ」と私は感じたので、それを文章にしようと書いたのが1月7日だ。しかし、やはり書く体力が続かず、短い文章をアップした後はひたすらベッドでうめくしかなかった。

ひどい経験ではあったが、良い体験にはなった


インフルエンザの症状が発生してから2日間、まったく食事ができなかった。しかも、かなりの頭痛がする。頭が割れそうなひどいものだ。

インフルエンザで幼児や老人が亡くなっているのは、恐らくこの2日間の劇症を乗り切る体力がないからだと実感として分かった。

この2日間は身体が食べ物を受け付けないので、ここが乗り切れないと命に関わる。逆に、この最初のつらい2日間を超えれば3日目にはかなり回復する。

自分の身に起きたことや、他の人の症状をインターネットで調べて見たら、個人差はあるもののだいたいは最初の2日から3日間が峠であり、ここを超えればだいぶ楽になれるようだ。

これを書いているのは1月11日でインフルエンザ発症後から数えると5日目になり、かなり楽になった。咳と喉の痛みは残るが、最初の2日のつらさに比べると大したことではない。

さすがにまだ真夜中の街を野良犬のようにウロウロしたいという気にはならないが、あと数日で食欲も含めて治りそうだという回復を身体に感じている。

ここまで来て、インフルエンザについて余裕を持って振り返ることができるようになった今、私が疑問に思うようになったのは、「このインフルエンザは誰にうつされたのか?」という部分だった。

インフルエンザの潜伏期間は2日前後であるという。ということは、私がインフルエンザを発症したのは金曜日の夜だから水曜日あたりに接触した「誰か」が私にウイルスをうつしたということになる。

水曜日、特定の誰かに会ったのかと言われれば誰にも会っていない。その前後の日も含めて私は誰とも会話していない。

どこかに寄った記憶があるとしたら、食料品店やコンビニくらいしかないので、誰かにうつされたとしたら、その「わずかな関わり」の中での出来事だったはずだ。

通常はそんな些細なことではうつらないと思うのだが、それでもうつるときはうつるということなのだろう。ひどい経験ではあったが、良い体験にはなった。

読者の皆様も、改めてお気を付け下さい。
(ちなみに、麻黄湯はよく効きます)


鈴木 傾城



インフルエンザには麻黄湯がよく効くと言われたのだが、本当に症状がすっと楽になって助かった。



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