自分の生体上の足を事故や病気で失うというのは非常にショックなことである。足を失うと行動範囲も狭まり、異性としての魅力をも失い、狭い範囲で人々の慈悲にすがって生きるしかなくなる……。
それが従来の見方だった。
しかし、時代は変わった。義足に関しては、急激なまでに医療器具の発展、ロボット工学からの参入、マテリアルメーカー等の研究開発が進んだ。
さらにはパラリンピックを見ても分かる通り、今では健常者に追いつくどころか、むしろ健常者を超える能力を生み出すツールとしての義足までが研究開発が突き進んでいる。
すでに片足を失った人たち、あるいは両足すらも失った人たちが、健常者と同じように日常生活を送り、スポーツを楽しむことができる時代に入ったのだ。
しかも、バイオニック分野での研究も取り入れられるようになり、義足が脳の動きを感知して自分の手足のように動かせる技術までもが進んだ。もっともっと時代は変化する。
そうなると、片足がないくらいでは、もう障害とは言えないという時代になるのではないかとも言われている。