日本人はすでに70年以上も戦争から離れているので、現在生きている日本人のほとんどは、人が殺し合うという姿を見たことがない。
だから、内戦や戦争がどこか遠い世界の話のように思っていて、あまり暴力に対して実感はない。自分たち日本人は生まれつき平和主義者だと思い込んでいる人すらもいる。
しかし、そうではない。人間の歴史は戦争と暴力の歴史だ。人間は平和よりも暴力の中で生きている。人間の歴史は血みどろなのである。果てしない殺し合いで歴史が動いている。
日本の歴史ですら、暴力の歴史だ。日本人は平和主義者の集まりではなく、たまたま1945年から70年以上も戦争をしなかっただけなのである。
人間には生まれつき闘争心が動物の本能としてある。その闘争心が、人間社会の暴力を生み出している。
人間が太古から現在までまったく平和になれないのは、平和になる素質よりも、争いになる素質の方が強いからだ。人間は暴力に至る5つの心理を持ち合わせている。