ミャンマーのラカイン州北部で起きたロヒンギャ族に対する対立と暴力と迫害は今年の夏から過激なものになっている。この地区に住むロヒンギャ族は、地理的に北上してバングラデシュに逃げるしかない。
彼らが目指すのが国境を越えたバングラデシュの難民キャンプであるクトゥパロンとバルカリである。
この3ヶ月で約58万人近いロヒンギャ族がジャングルを這い回り、泥水を飲み、小動物や昆虫を食べながらボロボロになってバングラデシュの国境に向かって難民キャンプにやってくる。
しかし、難民キャンプはすでに満杯で収容能力を失っており、この難民キャンプでも飢餓が広がっている。もしコレラやハシカが発生すると、史上空前の大災害になると言われている。
ところがバングラデシュ政府は、これらの難民が外に出ることを絶対に許可しない。
ロヒンギャ族はミャンマー国内で嫌われているのと同時に、歴史的な経緯もあってバングラデシュでも激しく嫌われており、絶対に引き受けたくないと国民は考えているのである。
すると、どうなるのか。表側で排斥と拒絶が生まれれば、アンダーグラウンドがじわじわとロヒンギャ族に手を伸ばす。アンダーグラウンドの標的は、ロヒンギャ族の若い女性たちだ。