インドネシア編
インドリィという娘の転落はどこにでもある話だった。

彼女は不器用な女性で、人見知りはするし、それほど聡明でもない。そんな女性が何もない田舎から都会に出てきて、働くところが見つからないまま転落して夜の世界に堕ちていった。

それは絵に描いたような転落話で、「ありふれた話だ」と多くの男が見向きもしない。しかし、それは彼女自身にとっては、ありふれた話ではない。

自分の人生に起きている失意の出来事に驚き、そして自分がそうなったことに対して、彼女自身が心から驚いているはずだった。そんな、運命に流されるがままの生き方は、とても印象に残るものだった。

ありふれているというのはどういうことか。それは、誰にでも起こり得るということなのである。転落は、彼女だけの話ではない。明日は「自分の物語」になるかもしれないのである。

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