インドには、あまりにも人間離れした顔貌の人たちがたくさんいる。美しさも飛び抜けている。独特の顔つきの人も多い。どう見ても他の属が混じっているように見える。

だから、インドをさまよっているとき、妙な夢想にとらわれたものだった。

「もしかしたら人類(ホモ・サピエンス)以外の人間に近い別属がインドにいて、それが混じっているのかも知れない」

そういえば、私は子供の頃、白人と黒人と黄色人種はあまりにも違うので「人間の種類が違う」=「種が違う」と、かたくなに思っていたのを思い出した。

つまり、生物分類学的に言うと、ヒト属までは同じだが、種は違うと思っていたことになる。

しかし、白人も黒人も黄色人種も「種」は「ホモ・サピエンス」であり、まぎれもなく同じ人間だ。これだけ肌の色も骨格も違うのに「同じ種」なのである。「人間は、たったひとつ」と言い換えることもできるだろう。

......