2013年11月15日、愛知県稲沢市の市議である桜木琢磨(たくま)氏が、中国広東省広州の空港で覚醒剤3キロを所持していることが判明して逮捕されている。

覚醒剤はアタッシュケースの中にあったのだが、これが中国の公安当局に見付かった。

この桜木琢磨は市議であると同時に、自動車関係の貿易会社を経営しているのだが、この会社の取引先の相手の妻からスーツケースを「預かった」のだという。この女性はナイジェリア人の黒人だったと桜木氏は言っている。

なぜ、ナイジェリア人だったのか。桜木琢磨は2008年にナイジェリアの金融商品に投資したが失敗している。今回はその資金の回収のメドが立ったので、またナイジェリア人と関わっている。

中国に行くと、別のナイジェリア人が待っていて、日本で靴を販売したいので、商品見本を持って行って欲しいとアタッシュケースを渡されたようだ。

そして、桜木琢磨はそのアタッシュケースを「中身も確認しないで」所持して、空港で逮捕されている。


ドラッグ・ミュールの典型的な手口とは?


「ドラッグ・ミュール」という言葉がある。ミュールというのはラバのことだが、ドラッグ関係者の隠語では「運び屋」という意味で使われている。

要するに「ドラッグの運び屋」のことである。実は最近、この「ドラッグ・ミュール」に日本人もよく使われるようになっている。

最も典型的な事件は、マレーシアで死刑判決を受けた「竹内真理子」の事件だ。

彼女はドバイーマレーシア経由で覚醒剤を4キロも運んでいて逮捕された。(死刑判決を受けた竹内真理子。マレーシアに4キロの覚醒剤

彼女のケースは、こうだった。

(1)東京で外国人と知り合った。
(2)航空券をプレゼントされた。
(3)現地で荷物を預かった。
(4)それを持ち運び、空港にて逮捕。

では、桜木琢磨のケースはどうだったのだろうか。彼の場合は、こうだった。

(1)東京で外国人と知り合った。
(2)航空券をプレゼントされた。
(3)現地で荷物を預かった。
(4)それを持ち運び、空港にて逮捕。

どちらも、奇妙なまでに同じであることを注目して欲しい。はっきり言えば、これは「ドラッグ・ミュール」の典型的な手口なのである。

もうひとつ注目して欲しいのは、桜木琢磨が関わった「外国人」というのは「ナイジェリア人」であるという部分だ。これは重要だ。


桜木琢磨。愛知県稲沢市の市議。中国広東省広州の空港で覚醒剤3キロを所持で逮捕。ハメられたのか、それとも知っていたのかは不明。

何も知らず、屈託なく麻薬を運ぶ女性もたくさんいる


マレーシアで死刑判決を受けた竹内真理子だが、マレーシアでは1991年以来、1500人以上ものマレーシア人がドラッグ・ミュールで逮捕されているという事実がある。彼女たちも、上記と似たような手口でハメられている。

(1)フェイスブックで外国人と知り合った。
(2)航空券をプレゼントされた。
(3)現地で荷物を預かった。
(4)それを持ち運び、空港にて逮捕。

(1)の部分は「無料の海外旅行が当たった」というのもあるが、いずれにせよ、航空券をプレゼントされて、現地で無料で遊ぶことができるのは同じだ。

そのあと、帰りに何らかの口実で荷物が渡される。土産品だと言われて渡されることもあるし、「これを運んで欲しい。運んでくれたらお金を払う」と言われることもある。

それがドラッグなのだが、屈託なくそれを運ぶ女性もたくさんいて、幸運なことに成功させる女性もいる。成功すれば、現地で別の男が現れて荷物を受け取るのである。

実は、このドラッグの受け渡しや受け取りをやっているのがナイジェリア人であることが多いのである(もちろん、ナイジェリア人だけではなく、イラン人等もいる)。

マレーシアのドラッグ・ミュールにも、ナイジェリア人が関わっていることが多いが、桜木琢磨が関わったのもナイジェリア人である。

桜木琢磨は典型的なドラッグ・ミュールの手口に引っかかったのか、もしくは典型的なドラッグ・ミュールの手口であることを演出して逮捕されたときの口実を作ろうとしていたのかは分からない。

しかし、表面的な動きを見れば、ドラッグ・ミュールの典型であることは知っている人間から見ると一目瞭然である。



なぜ、ドラッグ・ミュールの主役はナイジェリア人か?


なぜ、ナイジェリア人が世界各国で現れて、ドラッグ・ミュールの事件を起こすのか。それは、ナイジェリア人が非常に国際的で、ワールドワイドにネットワークを持っているからだ。

では、なぜナイジェリア人は国際的なのか。

それは、ナイジェリアという国が、昔から国際奴隷貿易で使われていた国であるからでもある。そして、破綻国家なので出稼ぎでしか生きていけないからでもある。

国民は否が応でも海外で仕事せざるを得ず、多くの人たちが海外で生計を立てている。このあたりの事情は、こちらでも取り上げた。(ナイジェリア。危機的な特徴を全部持ち合わせた暴発寸前の国

こうした人的ネットワークには人身売買やドラッグ売買にも大いに使われている。

人身売買ではナイジェリア女性がヨーロッパに送り込まれて売春ビジネスに従事しているのは以前にも取り上げた。(イタリア国内で路上売春。ナイジェリア女性の劣悪な売春環境

だから、ドラッグ・ミュールでもナイジェリア人が国際的に活躍しており、日本人もナイジェリア人に標的にされている。

日本にもナイジェリア人はたくさん入り込んでいる。現在、約5000人ものナイジェリア人がいて、六本木や新宿や原宿で夜のビジネスをしている黒人は、ほぼナイジェリア人ではないかとも言われている。

六本木と言えば、日本ではドラッグ売買のメッカだが、こういったところにナイジェリア人がいるのは偶然でも何でもない。

また、原宿・新宿ではナイジェリア人に多くの日本の若い女の子たちが、彼らに口説かれてカップルになっている。彼女たちの一部は恋愛でナイジェリア人と結びつき、ドラッグ・ミュールの標的にされても不思議ではない。

(1)東京でナイジェリア人と恋愛関係になる。
(2)航空券をプレゼントされた。
(3)現地で荷物を預かった。
(4)それを持ち運び、空港にて逮捕。

こういった恋愛感情を使ったドラッグ・ミュールは「ラブ・コネクション」とも言われている。

もちろん、すべてのナイジェリア人が犯罪者ではないし、むしろ日本人よりも純粋で真面目な人間もいるのは誤解してはならない。

本当は、彼らを手足のように使う麻薬マフィアが裏に控えていて、巨悪はこちらの方である。ドラッグ・ミュールの現場では、この「巨悪」はまったく影も形もない。


ドラッグ・ミュールで逮捕されたイギリス女性。


ドラッグ・ミュールで逮捕されたオーストラリア女性。世界中で、ドラッグ・ミュールのワナが張り巡らされており、「普通の人」がそこに堕ちる。


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