「クリスチーネF」という映画は、1981年の映画だが、私はずいぶん後になって見た。この映画を見て、私は思い出す女性があって泣いたことを覚えている。

タイに初めて行ったとき、ほんの少しの期間だけフランス人の女性と一緒に行動していたことがあったのだが、彼女はヘロイン中毒だった。

この映画のクリスチーネFと同じように、目の下に青い病的な隈をつけ、乱れた髪で虚ろに遠くを見るしぐさが、あまりにも似ていて切なかった。

「ああ、彼女と同じだな」と思うと、この映画の内容が他人事ではなくなって、そのヘロイン中毒の描写に震えるほど恐怖を感じた。

この映画はドイツ映画だったらしいが、私は今までずっとフランス映画だと思い込んでいた。

恐らく長い年月の中で、映画の細かいディテールを忘れていき、映画と自分の原体験が混合してしまったのだと思う。

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