タイの政治的混乱と、中国の続出する暴動は、まったく別々の現象に見えるかもしれない。

しかし、実はその根っこにある部分は「同じもの」なのかもしれない。

タイの政治的混乱を引き起こしているのは、タクシン派と王室派の権力闘争であるという見方もある。さらの一歩その奥を辿っていくと、何が見えてくるのか。

それは、バンコクという都会に住んで工業化の恩恵を受けた人たちと、地方の農業地帯に取り残された人たちとの確執である。バンコクで、工業化の波に乗れた人は豊かになれた。地方で農業にこだわっていた人は、豊かになれなかった。

地方の、取り残された人たちには「見捨てられている」という怒りがある。それが政治的な不安を生み出している。

問題は、農村に生きる人たちを右から左に工業化の世界に放り込んで、いきなりそこで生きていけるようになるのかということだ。

......