2015年7月にフィリピン・アンヘレスを久しぶりに訪ねて、そこがまだ売春地帯として機能しているのを知ったとき、私はほっと安堵して、ゆっくりと自分の心がほぐれていくのを感じた。

女たちの嬌声、派手なバーの外観、強引な呼び込み、オープン・バー内部の堕落した世界。

価格は異常なまでに高騰していたが、それ以外は特に何が変わったようにも見えず、私はしばしの間、この堕落に浸って懐かしさに胸がいっぱいになった。

「あなた、どこから来たの?」「日本人でしょ?」「いつアンヘレスに来たの?」「どれくらアンヘレスにいるの?」

バーを変えるたびに女たちが私を質問攻めにし、飲み物をせびり、私から金を引き出そうとしなだれかかる。女たちは昔と比べてそれほど洗練されているようにも見えなかった。

もう長らく売春地帯には足を運んでおらず、かつてほどの関心も薄らいでいる。しかし、久しぶりにその世界に浸ると、やはりこの世界が好きなのだと思う。

いずれ、アンヘレスも変わっていき、この殺伐とした歓楽街も消えてしまう日が来るかもしれない。街は時代と共に変わっていくものだし、フィリピンも経済成長しているのだから、歓楽街の姿が変わっても不思議ではない。

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